脂肪酸には、炭素鎖の長さや二重結合の有無によって、それぞれ異なる性質があります。
たとえば、ラウリン酸やミリスチン酸のような脂肪酸を多く含む石鹸は、泡立ちや洗浄力に優れる一方で、脱脂力が強くなりやすい傾向があります。
一方、オレイン酸は、炭素数18、二重結合を1つ持つ一価不飽和脂肪酸です。
オレイン酸を多く含む油からつくられた石鹸は、汚れを落とすための洗浄力を持ちながらも、肌の皮脂を奪いすぎにくく、洗い上がりが穏やかになりやすいという特徴があります。
オリーブオイル100%の石鹸が、古くから高品質な石鹸として評価されてきた理由もここにあります。
オリーブオイルはオレイン酸を多く含む油です。そのため、オリーブオイル石鹸は、強い泡立ちやさっぱり感を前面に出す石鹸ではなく、肌あたりのやわらかさ、洗い上がりの穏やかさ、脱脂しすぎない使用感を大切にした石鹸だといえます。
石鹸にとって大切なのは、ただ強く洗えることではありません。
汚れを落としながら、肌に必要な皮脂まで奪いすぎないこと。
この洗浄力と肌への穏やかさのバランスこそが、オレイン酸主体の石鹸が「高品質」とされてきた理由です。